多くの若手社員たちが「出世お断り」の声を上げています。
彼らは「課長になるくらいなら会社を辞めます」と宣言し、これまでの価値観を覆そうとしています。
一昔前、新入社員だった私は、昇進を夢見て頑張っていました。
給料が増え、マイホームを持つことを目標にしていたのです。
しかし、今では昇進の話が来ると、それを断る人が多くなっています。
なぜ若者は出世を拒むのでしょうか。
その理由の一つは、管理者の役割に対する不明確さです。
多くの会社では、管理者の仕事がはっきりとしていません。
マネジャー研修に参加しても、何をすべきかが明確にされないことが多いのです。
結果として、仕事の負担が増し、やりたくないと思わせる原因となっています。
また、若手社員の育成が難しいと感じるマネジャー候補も増えています。
上司が苦労している姿を見る若者たちは、「私にそんなことができるのか」と不安になります。
VUCA時代と呼ばれる不確実な時代において、毎年予想外の出来事が起こり、管理職にかかるプレッシャーも増えています。
このような状況下で多くの若者は「プレッシャーに耐えきれない」「逃げ出したい」と感じています。
では、これらの問題をどう解決すれば良いのでしょうか。
まず、マネジャーの定義を明確にし、目標達成に必要なスキルを早い段階で教育することが求められます。
また、部下の育成に関する責任範囲を明確にし、外部の専門家に教育を任せることも重要です。
さらに、若者自身に当事者意識を持たせる教育と啓蒙が必要です。
結局、組織の長期的な成功には、出世を拒む若者たちの声に真剣に耳を傾けることが不可欠です。
「親離れ」に似た「部下離れ」が重要であり、若者が活躍できる組織づくりを進めることで、組織や会社全体が良い方向へと向かうチャンスになるでしょう。
プログラマーとして見た場合、プロジェクトへのコミットメントと組織内での地位向上は必ずしもリンクしないことを理解しています。
質の高いコードを書くことに集中したいという気持ちは十分に共感できるものです。
役職につくことで開発から遠ざかるのは、我々エンジニアにとって大きなジレンマです。
技術の進化が早いこの業界では、「管理職」を担うことの本質を再考することが求められます。