ハーバード大学の学生たちが開発した最先端技術「I-XRAY」は、まるでSF映画のような未来を現実にしつつあります。
これらのスマートグラスを通して、人の顔を見るだけで、その人の名前や住所、電話番号といった個人情報をリアルタイムで取得できるのです。
この技術は、フェイスブックの親会社Metaと共同開発された「Ray-Ban 2」スマートグラスによって可能となり、現在注目を集めています。
スマートグラスにはカメラが搭載されており、他人の顔を撮影することで、その情報をインターネット上の公開画像と照合します。
このプロセスには、PimEyesやFaceCheck.IDといった逆顔検索エンジンが利用され、ここで得られたデータをもとに、名前や職業などを推測します。
その後、FastPeopleSearchなどのツールを使って、住所や電話番号、親族情報までもが取得可能となります。
最終的には、わずか数秒でスマートフォンにその全情報が表示されるのです。
この技術を開発した者たちが掲げる目的は、現代の技術が持つ可能性を示すとともに、プライバシーに関する警鐘を鳴らすことにあると言います。
しかし、それにしても行き過ぎた感は否めません。
私たちは個人情報を守るために、PimEyesやFaceCheck.IDなどのプラットフォームから自分のデータを削除することができ、また、重要なアカウントには二段階認証を設定することで情報の悪用リスクを軽減することが可能です。
プログラマーから見たこの技術は確かに驚くべきものですが、一方で非常にデリケートな問題を抱えています。
技術の無闇な進歩が個人のプライバシーをいかに侵害し得るか、そしてそれをどうやって防ぐのかが、今後の大きな課題となるでしょう。
必要なのは、技術が追い求める可能性を誇示するのみならず、それをどのように社会的に受け入れ、適切に利用していくかを慎重に考える姿勢です。
