スマホが普及して以来、私たちのコミュニケーションの方法は大きく変わりました。
特にSNSは、その特性によって利用者の心理や感情に直接影響を与えるプラットフォームとして注目されています。
例えば、X(旧ツイッター)では、フォローしたユーザーのポストが自動的にフィードに流れてきます。
このシステムの背後にあるアルゴリズムは、利用者の選好に基づき、特に「攻撃的な内容」を含むポストを優先的に表示しがちです。
これは何を意味するのでしょうか。
SNSは「怒り」が商業利用できることを発見しました。
人々が共感を得られる内容に反応するのは自然ですが、それが怒りや争いを助長するような情報であると、その影響は計り知れません。行動が倍々になるのです。
私たちは、自分の意見を主張するだけでなく、他者を攻撃することにも楽しみを見出しやすくなります。
その結果、SNSでは広告のユーザーエンゲージメント率が上がり、社会が分断されてしまうのです。
このような現象は、日常生活の些細な瞬間にも表れます。
例えば、電車の中で他人の反論するポストを目にすることが多いでしょう。
その反応がまた新たなポストを生み出し、論争がついに蓄積(フィードバックループ)されてしまうのです。
私たちが画面の向こう側でやり取りをしている時、その背後には実際の人間同士の対立が存在しています。
特に、見解の対立が大きくなる場合、双方が被害者意識を持ち、相手を加害者として位置づけてしまいます。
実際にはどっちもどっちで双方に正義がありシロクロ付け難い問題です。
そういったどっちもどっちのトピックをアルゴリズムは素早く見つけてユーザー(野次馬)に届けます。
アルゴリズムによって問題を解決するための努力が、ますます難しくなっています。
一方で、こうした現象をプログラミングの視点から考えると、アルゴリズムがどのように設計され、利用者の行動にどのように影響を与えているかを深く理解できます。
開発者が意図的に注目を集めるための仕組みを構築することができる一方で、その結果が引き起こす社会的影響を無視することはできません。
だからこそ、倫理的な観点も含めて思慮深い設計が求められます。

