ある日、テキストSNSの世界で大きな転換点が訪れた。
Meta(メタ)が提供するThreads(スレッズ)が、ついにX(旧Twitter)の日間アクティブユーザー数(DAU)を上回ったのだ。
リリースから2年を経て、Threadsは着実にユーザーを増やし続け、その数は2024年9月20日には世界中のモバイル端末で1億2870万人に到達。
一方、Xは1億2710万人と僅差で下回った。
この躍進には、Instagramとの密接な統合が大きく影響していると感じている。
ThreadsはInstagramのアカウントを利用して簡単に始められ、さらにフィード内での宣伝が効果的だったのだろう。
アカウント作成のハードルが低く、ユーザーデータも活用されているので、ターゲティング広告の精度も高いはず。
実際に、アナリストらは今後の広告収入の拡大を指摘しており、2026年には単体で20億ドル(約4300億円)、2027年には90億ドル(約1兆3500億円)もの広告収益が見込まれている。
ただし、Xもまだまだ侮れない。
アメリカではXが依然として優勢であり、ウェブサイトの訪問者数も圧倒的だ。
2024年9月時点で、XのウェブサイトDAUは1億4070万人を誇る一方、Threadsはわずか770万人。
それに、ユーザーの滞在時間もXが平均4分4秒とThreadsの2分14秒のほぼ倍。
単純なユーザー数だけでは計れない「熱量」がまだXには残っている。
プラットフォームの競争はまさに「覇権争い」。
両者はこれまで、トップ同士の個人的な対立まで話題になったこともあるが、やはり最終的な勝負はユーザー体験とプロダクトの作り込みにかかっていると感じている。
個人的には、Threadsの成長は技術的にも非常に興味深い。
Instagramの膨大なユーザー基盤とデータ活用、そして高速な市場展開力はまさにプラットフォームエンジニアリングの真骨頂ではないか。
一方、Xは長年の機能追加や独特なコミュニティ文化が粘り強さにつながっている印象だ。
プロダクトのローンチ直後、Threadsが初日に3000万ダウンロードを記録したのも記憶に新しい。
それを支えたインフラや技術もすごいが、一方でXはイーロン・マスクによる劇的な方針転換や広告主離れ・収益急落といった波乱もあり、サービス運営の難しさを改めて実感する。
それぞれの運営戦略や技術スタック、APIの公開範囲など、プロダクトの裏側にもますます着目したくなる。
ユーザーの流れが今後どう変化していくのか、これからもSNS業界の動向をウォッチし続けたいと思う。

