2025年の関西万博会場でデモンストレーションが行われたglafitの「ワクモビ」。
この四輪型の電動モビリティは、近年話題の電動キックボードと同じ「特定小型原付」区分に属し、車道も歩道も合法的に走行できる超コンパクトな“クルマ”という位置付けだ。
免許不要、16歳以上なら誰でも運転可能で、ヘルメットも努力義務に留まる。
最高速度は20km/hと控えめだが、6km/hの「歩道モード」に切り替えることもできるのが大きな特長。
見た目は原付のホンダ「ジャイロ」にも似ているが、実際には普通の自転車並みのコンパクトさで、都市部でも取り回しがしやすそうだ。
ペダルはなく、バイクのハンドルについた親指レバーで加速し、離すと自動で減速・停止する“モーターブレーキ”方式を採用している。
日産の「e-POWER」のような直感的制御に近い仕組みで、左手ブレーキレバーは非常時用とのこと。
しかも、アイシンの開発による「姿勢保持機構」を搭載。
各車輪ごとにサスペンションと“リーン”機構が組み込まれていて、片輪で段差を乗り越えたり、20%勾配の坂道でも安定した姿勢を保ってくれる。
ちょっとした未来感と信頼感がある。
歩道走行できる上に、趣味や通院など日常の移動にとても便利そうだと感じる。
また、今回のデモではラジコン操作で完全無人の遠隔走行も披露されていた。
工場や倉庫での荷物運搬やキャリアとしての使い方も視野に入っている。
自律走行も今後検討されているようで、これからの発展に期待が膨らむ。
値段はイメージとしてはシニアカーより高め、軽自動車よりは安めの“100万円を切るくらい”を目指しているらしい。
免許を返納した高齢者や身体的に運転能力が低下した人たちの新しい“足”としても注目される理由がよく分かる。
こうした「特定小型原付」制度自体も2023年に誕生し、その多様な“モビリティ”の可能性が広がっている。
個人的には、このカテゴリーがもっと普及すると、都市の移動や高齢化社会への対応の仕方が大きく変わるのではないかと感じる。
しかも、車体制御やインターフェース設計、遠隔操作の実装などプログラミングやハードウェアの面でもチャレンジングな要素が満載だ。
性能と安全性、そして便利さをどれだけバランス良くシステム化できるかは、とても興味深いテーマになりそうだ。

