ロンドンに拠点を置くAIスタートアップ、Builder.aiが破産申請を行ったというニュースが飛び込んできました。
彼らは「ピザ注文と同じくらい簡単にソフトウェア開発ができる」と謳い、約1.5億ドルという評価額を誇っていました。
しかし、実際の業務運営が約700人のインド人エンジニアによる「人力」で行われていたことが発覚し、その信頼性が揺らいでしまったのです。
2019年には、ウォール・ストリート・ジャーナルによってそのソースコードの大部分がエンジニアの手書きであったことが暴露されました。
その結果、2024年には売上見通しが25％下方修正され、資金の流れも不透明になっていました。
また、2025年2月には新CEOが就任したものの、財務記録に虚偽があったことが明らかになり、破産申請に至ってしまったのです。
この時点で既に「人力AI」の問題点が指摘されており、予想された結果なのかもしれません。
「AIウォッシング」と称されることもあるこの現象は、AI関連企業が注目を集める一方で、実態が伴っていないケースが少なくないことを示唆しています。
特にBuilder.aiは、多額の投資を受けていただけに、その失敗は業界に大きな衝撃を与えました。
プログラマーとしてこのニュースを聞くと、技術の進化と共に過度な期待が先行することには危険が伴うと改めて感じます。
テクノロジーの本質は、時には人力に頼らざるを得ない部分もあるという現実を無視して、ただ「AI」という言葉だけで評価されてしまうのはもったいないことです。
真にインパクトのある技術は、その裏にある努力や透明性に支えられているものだと信じています。
それにしても人力って……。
