noteのCXOである深津 貴之氏からnoteの推しアルゴリズムが公開されて話題を呼んでいる。
noteが独自に進めているおすすめアルゴリズムの根幹には、「一次情報」や「生の体験」「個人の視点」といったオリジナリティの重視がある。
まず優先されるのは、書き手自身の経験や発見、思いが記録された記事や作品だ。

もちろんAI制作物も否定されているわけではないが、特に人間の一次情報を活用した記事や、それをAIで補助・構成して新しい創造を行ったコンテンツは、高く評価されていることに興味を惹かれた。
「体験談」「失敗談」「ケーススタディ」「時系列で整理された記録」「継続的なレポート」——こうした実体験が詰まった記事は積極的に推奨されている。
作者自身の感情や観察、独自の視点を大切にする姿勢も魅力的だ。
一方で、「他人のバズ記事の言い換え」や「浅いまとめ記事」「フェイクニュース」「根拠に乏しい断定的な主張」などは、機械的に排除される設計になっている点が特徴的で、なるほど信憑性や健全さに配慮されているのがよく分かる。
また、単なる短期的なバズやキャッチーな拡散狙いのコンテンツよりも、再現性や検証可能性、中長期的にネットの知見に貢献する内容が評価されやすいよう設計されている。
時代がAI生成と共存する流れの中で、AIだからこそ生まれる新たな知識の流通と、人間ならではのオリジナルな価値とをどう融合するか、そのバランスにアルゴリズムが挑戦していることが伝わってきた。
プログラマー的な観点で面白いのは、「AIハック対策」を見据えて採点基準を完全には公開せず、定性的な評価も重視している点だ。
一見ブラックボックスだが、だからこそ表面的な最適化や抜け道狙いが難しくなり、本質的に価値ある記事が可視化されやすい仕組みとして機能しているのだろう。


システムが情報の構造や引用の正確さ、意見と事実の区別など、細やかな解析をして情報共有を促進する仕組みはプログラム的にも洗練されていて興味深い。
長期的な価値を持つ情報のネット上での「流通」を、AIが部分的に支えつつ、最終的なエッセンスは人間の独自性に残す──その哲学と設計思想には、まさに今の時代の要請が如実に現れている。

