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あと10年以内に実用化!? ナチュラルキラーT細胞で副作用なしでガンが治る時代へ

あと10年以内に実用化!? ナチュラルキラーT細胞で副作用なしでガンが治る時代へ


千葉大学と理化学研究所の最新発表によると、iPS細胞由来のナチュラルキラーT(NKT)細胞による頭頸部がん治療の治験が大きな進展を迎えた。
治験の結果では、標準的な治療が難しい患者10人中5人で腫瘍増大の抑制が見られ、2人では著しい縮小が確認されたという。
これは、これまでにない画期的な一歩だ。
治験を指揮した本橋新一郎・千葉大教授は「安全性を確認できた新たな治療法を早く患者に届けたい。10年程度での実用化を目指す」と話しているという。
しかし真に「副作用なくガンが治る時代」が来るには、まだいくつもの壁が立ちはだかっている。
医薬品開発の現場には「死の谷(デスバレー)」と呼ばれる期間が存在し、基礎研究から実用化に至るまで莫大な資金・時間が必要だ。
さらにSTAP細胞騒動以降、日本では再生医療に対する慎重なプロセスが求められ、iPS細胞の大量培養や細胞の変異確認、安全性確保など厳格な管理体制が敷かれている。
2014年に「再生医療等安全性確保法」が施行されてから技術の進歩は確実だが、一方で進捗が遅いと感じる声もSNSなどで目立つ。
実用化の段階では、オプジーボのような高額薬剤が一時話題となったように、経済的な障壁や「選ばれし者だけが治療を受けられるのでは」という不安も現実だ。
この技術が広く普及するには、製造コストの低減や法整備の迅速化が欠かせないとつくづく思う。
今回の結果は安全性を重視した治験第一段階にすぎず、1人に発疹が発生するなどリスクはゼロではない。
データが少ない現時点では、「感情的期待」が先行しがちだが、いま必要なのは結果を冷静に見つめる視点だと感じる。
医療もテクノロジーも同じで、“最先端の希望”が現実になるまでのプロセスは遠い。
そしてその一歩一歩が、粘り強い開発と検証、そして社会制度のアップデートなしには進まない。
例えば、iPS細胞由来NKT細胞の標準化のためには、培養工程の自動化や品質管理のアルゴリズム化など、プログラミング的な発想が不可欠だとワクワクする。
どんなに素晴らしい発明も“使える形”にするにはエンジニアリングの力が要る。
未来の医療現場は、バイオとソフトウェアの融合がカギになる予感がしてならない。