小説家という夢は、多くの人の心に息づいている。
自分の想像した物語がマンガやアニメになり、映像化されて世界中で楽しまれる――そんな未来を思い描き、文章を書き続ける人も多い。
実際、人気小説が映像コンテンツとして配信され、大きな収入に繋がる例も年々増えている。
だが、2025年の小説投稿サイトは激震の中にある。
AIによって膨大な数の小説が生成され、一日に何百、何千と作品がアップロードされるようになってしまったのだ。
AI小説がランキングの頂点を獲得し、人間の作家が埋もれる事態も頻発する。
しかもAIを扱えるプログラマーが、キャラクターの整合性やストーリーの一貫性までコントロールしながら、短時間で大量の小説を生みだしている。
少し前までは小説生成AIというだけで物珍しさもあったが、今や専門的な知識がなくてもAIを使って膨大な文章を作り出せる時代がやってきた。
AI小説が1日に120作も投稿される、その圧倒的な物量とスピード。
もし100人が同じようなペースで作品投稿を続ければ、1日で1万件以上の新作小説がサイトに溢れる計算になる。
もはや読者がすべてをフォローすることは不可能だし、「AI小説の波」に飲み込まれて、投稿サイトの利用そのものを控えてしまう作家や読者が出てくる可能性すらある。
AIによる効率化は、あらゆる場で進んでいる。
小説のみならず、イラストやマンガなどのクリエイティブな現場でも、AI生成コンテンツに関する議論が巻き起こっている。
国内の有名な小説投稿サイトでは、編集部が「最後に人間が手を入れた形」に限定するなどAI作品への新たなルールや対応が急務となっている。
同時に、海外のクリエイターがAIを武器として使う中で、国内作家だけが手作業で創作していては、公平な競争にはならないという懸念も浮かぶ。
プログラマー的視点で言えば、AI小説の生成技術は日々めざましい進歩を続けている。
キャラクターごとの人格を保ちながら、長編ストーリーも矛盾なく描けるアルゴリズムの進化には思わず感心してしまう。
文章生成を自動化するだけなら単なる効率化だが、読者の好みや感情までAIが分析し物語に反映させる可能性を考えると、創作の概念自体が根本から変わる時代が本当に目の前にあると実感する。
一方で、創作現場との距離感や、サイト側でAI生成作品の数を制限する技術的・運用的な工夫も、今後いよいよ不可欠になるだろう。
どこまでAIを活用し、どこから人ならではの創造性を守っていくか――そのせめぎ合いに、技術者としても創作好きとしてもワクワクと不安が入り混じるのが正直な気持ちだ。

