科学者たちは、ついに「電子を食べる」あるいは「捨てる」ことができるという特異な能力を持つ微生物を発見しました。
これらの微生物は、従来の光合成や化学合成とは異なる「電気合成生態系」と呼ばれる第三の生態系を形成している可能性があると言われています。
JAMSTEC（海洋研究開発機構）の鹿島裕之研究員らによると、この新しいタイプの微生物は、従来の生物とは異なる方法で生命を維持しているとのことです。
この新しい微生物の仕組みを理解するには、生物がどのようにしてエネルギーを生成しているのかを知る必要があります。
一般に、細胞内の電子回路を利用してATP（アデノシン三リン酸）というエネルギー通貨を生成します。
これは、生物が生命活動を行うために必要な基本的なエネルギー源であり、「呼吸」というプロセスを通じて得られます。
しかし、新たに発見された電気微生物は、従来の「呼吸」とは異なるアプローチを取ります。
これらの微生物は、細胞内の電子回路を細胞外へと延ばし、外部から直接電子を取り入れたり、逆に排出したりすることができると言われています。
この現象は、「電子を食べる」または「電子を捨てる」と表現され、その能力は非常に興味深いものであると同時に、従来の生物学の常識を大きく覆す可能性があります。
今後の研究が、これらのユニークな微生物がどのように地球の生態系に影響を与えるのか、さらには我々の生活にどのように役立つのかを明らかにしてくれることを期待しています。
