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社長より社員の方がダマしやすい?! 社長を盲信する日本でイージー過ぎる1億円詐欺事件発生

社長より社員の方がダマしやすい?! 社長を盲信する日本でイージー過ぎる1億円詐欺事件発生


岐阜県多治見市で発生した1億円詐欺事件は、単なるメール詐欺の枠を超え、現代社会が抱える「組織の脆弱性」や「心理的死角」を鮮明に描き出している。
事件の手法は世界的にも猛威を振るうビジネスメール詐欺(BEC)の典型例であり、人が権威に服従してしまう心理的バイアスが巧みに利用された。
「ミルグラム効果」が示す通り、人は権威を持つ者の指示に対し、不合理な内容でも拒絶しがたい性質を持っている。
また、「直振込」や「緊急性の強調」といった「フット・イン・ザ・ドア」を変形させた手法が重ねられ、経理担当者の冷静な判断力が容易に奪われてしまった。
SNS上では「電話一本確認していれば防げたのでは」など、従業員の過失を責める声も多く見受けられるが、過去の大手企業(JALの3億8千万円事件や日経新聞社の欧州子会社32億円事件)にも同様の構造的な問題があったことを思い出させる。
共通するのは、「人間の信頼」というシステム欠陥をセキュリティホールとして突くソーシャルエンジニアリングの恐ろしさだ。
LINEのような身近なツールを使い「密室命令系統」を作ることで、組織の複層的チェック機能さえも無力化されてしまう。
犯行グループは事前に対象の企業の組織図や取引サイクルを徹底的に調査し、メールアドレスの正規性を装うドメインスプーフィング技術までも駆使したと推定される。
岐阜県内では同様の被害が相次いでおり、被害総額は2億5千万円にのぼる。
攻撃者が特定地域の中小企業の「防御の薄い狩場」を組織的に狙っている現実が浮き彫りになっている。
銀行側のセキュリティゲートをかいくぐり、社内にダブルチェックの文化が根付いていないことも問題を深めている。
どれだけ議論を重ねても、結局は強固な暗号技術の導入と、最後の操作(人間が押す「送金ボタン」)前の防御が極めて重要になる。
同時押し(2段階認証など)の仕組みを取り入れることで、自分発信のリスクを減らすこともできるはずだ。
今回の事件から見えてくるのは、日本社会のサラリーマンの悲哀や闇だと感じる。
個人的に、こうした人間の信頼や心理を突くセキュリティ・ホールは単なる技術的な対策だけでは埋められないのが悩ましい。
どんなにシステムを堅牢にしても、最後は人の警戒心と習慣が決め手になる。
「人」を守るための技術や仕組みをもっと柔軟に考えてみたくなった。