日本広告審査機構(JARO)は、2025年度上半期に寄せられた「不快な広告」に対する苦情件数が、前年同期と比べて約1.7倍に急増し、総数は7,088件にも達したと発表しました。


上半期としては過去最多となり、2020年度の年間最多記録である11,560件を超える可能性も出てきています。
特に電子コミックやオンラインゲームの広告に対して、苦情が集中する傾向が強まっているようです。
6月以降は性を強調した電子コミックの広告に「不快だ」との声が殺到し、JAROに多くの苦情が寄せられました。
そのため、業界団体も自主的な対応に乗り出すなど、対策が動き始めています。
今年は「不快」や「気持ち悪い」といった表現への苦情が目立ち、性的な内容の広告への指摘が特に増加。
該当する苦情は前年同期の274件から1,355件まで大幅に増えました。
また、バナー画像の一部が「汚い」などと感じられるケースや、医薬部外品やEC関連の広告にも苦情が470件以上寄せられるなど、特定の出稿主に対する厳しい視線も浮き彫りになっています。
媒体別に見ると、インターネット広告の苦情は前年同期比で211.2%と大きく増加し、テレビCMも142.2%増と伸びています。
中でも、電子書籍・ビデオ・音楽配信、医薬部外品、オンラインゲームなど、デジタル領域での苦情が数多く寄せられています。


こうした状況を見ると、広告の自動生成やアルゴリズム運用に関心がある身として、「どこでどんな広告を誰に見せるか」の最適化だけでなく、「受け手側の感情」や「社会的な許容範囲」のデータもアルゴリズム設計やA/Bテストの指標に組み込む必要を強く感じます。
ユーザーの苦情データをリアルタイムでフィードバックし、表現内容のモニタリングや自動フィルタリングを実現できれば、広告主やメディアの負担も減り、ユーザー体験も高まるはず。
いや、そもそも不快な広告ほど注目度が高くクリックされやすいという統計データがあるのかもしれない。
マーケターが最適解を探っていくうちに行き着いたのが不快広告なのだろう。

